耐食性に優れたリン酸亜鉛皮膜処理!その手順を解説


リン酸亜鉛皮膜処理のメリット

リン酸処理には色々な方法がありますが、リン酸亜鉛皮膜処理は耐食性に優れた方法として注目されています。リン酸亜鉛皮膜処理はその名の通り、リン酸亜鉛の溶液を用いて金属の表面に薄い皮膜を生成させる方法です。この処理をすることで、金属表面に化学的に安定した被膜が生成されます。その結果、金属の塗料が強く密着することで、耐食性に優れた金属となるのです。

前処理から水洗いまでの工程

リン酸亜鉛皮膜処理ではいくつかの工程を経ることで、耐食性に優れた素材に仕上がります。まず、前処理として脱脂が行われます。これは金属表面に付いている汚れを落とす作業ですが、加温した苛性ソーダ液などに浸します。脱脂の後は水洗いして高圧洗浄をかけます。

酸洗いからリン酸亜鉛皮膜処理までの工程

これだけでも金属表面はかなり綺麗になりますが、汚れが残っている場合は酸洗いを行います。酸洗いとは、硫酸や塩酸などの強酸に金属鋼材を漬け込むことで、金属表面にくっついているサビなどを除去する方法です。酸洗いをすることで表面の油分が取り除かれ、金属表面に適度なザラツキが生じます。このザラツキによって、金属表面にメッキや塗料が密着しやすくなり、金属表面の処理の質が向上します。酸洗いの後は表面調整を行います。コロイド溶液に漬け込むことで、コロイド粒子を金属表面に吸着させます。こうすることで、リン酸亜鉛化反応が速やかで均一に行われるようになります。そして、リン酸亜鉛皮膜処理が行われます。加温された溶液に浸すことで、薄い皮膜が生成されます。

リン酸亜鉛皮膜処理後の仕上げ工程

リン酸亜鉛皮膜処理が終わったら、湯洗で付着したリン酸亜鉛処理液を洗い流します。そして、乾燥炉にリン酸亜鉛皮膜処理した金属を入れて乾燥させます。

リン酸処理はメッキの表面処理のための技術の一つです。鉄鋼製品の表面を美しい外観へと仕上げる効果があります。