豆腐に使われている乳化剤も消泡剤
消泡剤と聞いた時には工業系のイメージを持つ人が多いですが、実際には身近な場面として豆腐作りにグリセリン脂肪酸エステルが使われています。乳化剤としての役割により、豆乳の表面にできた泡を乳化して泡を消すわけです。地元の豆腐店で手作りする場合には表面の泡をすくい取りますが、食品工場で大量生産する際には手作業を避けるために食べても多くの人にとって安全性が高い消泡剤を使い効率化します。多数の泡をひたすら物理的に潰すことは非現実的であって、泡を含んだ表面ごと拭い去ることは手間がかかりすぎます。このため、消泡剤の中から適切なタイプを選ぶことで、コストを抑えつつ大量生産を行うことができるわけです。
シリコン系の消泡剤は汎用性が高い
消泡剤にはシリコン系と有機系がありますが、有機系は使用可能な条件が厳しいために水性の場合のみしか使えません。水性・非水性の両方で使える消泡剤の多くは、シリコン系の消泡剤として販売されているものに限定されます。オイル型・溶液型・オイルコンパウンド型といった複数の形状をしたシリコン系消泡剤を、投入先の発泡液ごとに存在する条件に合わせて選択して使用するわけです。石油精製やインクといった消泡剤を添加する必要がある溶液ごとに、最も少ない量で最大の効果を得られる組み合わせが存在します。また、塗料や廃液処理のために使用する消泡剤は、臭気を抑えるために必須の処理となるほど消泡作業の進み具合がそのまま生産性に直結するケースが少なくありません。
シリコーン消泡剤が売り上げを伸ばしています。それはこの添加物が他の物質に対して化学反応を示すことがなく、安全性が高いことが要因となっています。